「私の旅行を返せ!」


話は私が高校生の頃にさかのぼる。
卒業間際にアルバイトが認められて、見つけた先が地元のカメラ屋さん。
卒業アルバムの作り方とかをそこで実践して学んだ。

あの頃は写真を本当に切り刻みながらアルバムに配置して原盤を作ってたんです。

そんな裏方作業のほかにも店頭に立つこともありました。

フィルムカメラ全盛の時代。
コニカのジャスピンとかフジのプログラムEE全体に言えるフイルムポン!の「バ●チ●ンカメラ」
老若男女が皆使ってました。
お店にはお客さんがフィルム現像焼き増しにやってきます。
フィルムを受け取って受付したあとは「ベロ出し」をします。

「ベロ出し」とは巻き取ってしまったフィルムの端を現像のためにちょこっと外に引っ張り出す事です。
ベロ出しのために簡単な機械があります。機械っていってもセロハンテープカッターみたいなものですが。
フィルムケースの中にテープ突っ込んで、フィルムの端を引っ付けて引っ張り出すというwww

そうやって現像と焼き増しに回すんですけどね。


そんなさなか、あるお客さんが焼き増しの写真を取りにきた。
「こちらですがご確認ください」
どこの写真屋でも渡す前にフィルムと写真を見せて確認をするのは昔から変わらない。
しかし、このケースはちょっと異様だった。

「フィルムに何も写っていないようですが・・・」